必殺仕事人2009 第五話「因果応報」
「住職・正円による大仏の建立が決まった。しかし、宮大工の棟梁・宗兵衛は、その計画に隠された陰謀に気づき・・・」(公式HPより)
宗教界と建設業が結託、資金は「商い税」なんて税金でまかなおうという、まさに今の世の中そのまんまの悪だくみでした。なんか、あまりに現実直結で、やりきれない気分になってしまった。悪人がヘボいのもガッカリですが、こうリアルなのもシャレにならないな・・・
大仏建立の手抜き工事に気づいた宗兵衛(堤大二郎)は、仲間の棟梁・佐平(徳井優)の密告により家族もろとも殺され、家に火を放たれてしまいます。ただ一人、息子の耕太(小杉彩人)だけは、源太と作太郎の家に泊まりにきていて助かったわけですが、作太郎が思いを寄せていた千代ちゃん(だっけ?;・・・記憶が・・・)は源太の腕の中で(うらやまs)息を引き取るのでした。号泣する作太郎。
私の画力じゃ到底表せないのですが、このときの源太がいい表情してました〜〜v

宗兵衛を密告した佐平は、たしかに悪人側ではあるんですけど、弱い人間の典型というか、仕事と地位欲しさに大手企業に取り入ろうとする零細企業の社長みたいで、なんだか心底憎悪はできないような、ちょっと身につまされる人物像でした。同じ立場だったら、自分もこうならないとは言い切れないよなーと。
今回は、お菊姐さんがあでやかな芸者姿で潜入したり、涼次が屋根裏に忍び込んだりして、裏取りもちゃんとしましたよ、とわかるカットがあり、OK、OK。
的分けがいつもの人形部屋じゃなく、三番筋だったのも新鮮な気分。
でもねー、正直な気持ち、子供(耕太)に「三番筋へ行け」と勧めるのはどうかという気も・・・。
「必殺2007」で作太郎が三番筋で仕事を頼んでいるので、今さらではあるんですけど、あれは源太が仕事人になるプロセスとして、消化できました。でも今回のを見ていて、この子はこれから先、「こいつさえいなけりゃ・・・」という人間が現れたら、お金さえ払えば殺してもらえる、などという”学習”をしてしまうのではないかしら、と心配になってしまいました。(現に、作太郎は、十一話で再び三番筋を頼っている・・・)
二話でやったばかりだけど、今回も、耕太と作太郎の代わりとして、源太が頼み人になってもよかったのでは。
今回のからくり蛇は、紐の中にさらに糸が仕込んであったりして、芸細なうえ、いつも以上に残酷な殺しの道具になっていて、源太の怒りが感じられました。確かに地べたに接触して這っていた小判に、ひっくり返したら虫の人形がくっついていたけど、いいんです。
時代劇はファンタジー(by 福士誠治)ですから!その他。作太郎に番所へ怒鳴り込まれたあと、小五郎さんがお菊姐さんちの縁側に座ってしんみりしてるのがなんだかほほえましかったです。涼次とはガチンコなのに、ヘタレぶりを子供に責められると小五郎さんでもヘコむんだね(笑)
それにしても作太郎って、父を殺され、母を殺され、初恋の相手を殺され、やがて源太も・・・普通は一生のうちに一度も経験しないことが、これまでの半生どころか6分の1生くらいのなかで一気に襲ってくるという、すさまじい幼年期をおくったわけですね。ドラマとはいえ、ちょっとこの子ひとりに悲劇が集中しすぎ。
三話のマンガでフライングしちゃいましたけど、源太が宗兵衛さんばかりか主水さまにまで「源の字」って呼ばれてるのが、無性にうれしくてゴロゴロしました♪愛されてるなあ、源の字!
ということで、「必殺仕事人2009」のレビュー、なんとか完走できました。ダラダラ感想文におつきあいくださった方、どうもありがとうございました。
以下、全エピソードから、マイ・ベスト5を考えてみました。
1位 二話「厚顔無恥」源太メインですが、客観的に見ても(ホントですって)一番「必殺」らしく、キャラの立ち位置もはっきりしていて、素晴らしい出来だったと思います。
2位 七話「金が仇」悪人を殺しても、黒川藩の末路は見えているわけで、結局なんの解決にもなっていない、というやりきれなさが「必殺」的でした。エンディングで川を見つめる涼次と如月の姿が、そのやりきれなさを象徴していました。「仕事」のときの涼次のセリフ「一両だよ」もよかった!
3位 十三話「給付金VS仕事人」匳登場。これ以降の匳のキャラクターも高く評価してます、という意味もこめて。小五郎さんを圧倒した、主水さまのセリフにもしびれました。
4位 二十話「女の一分」武家ものからも一話。タイトルがかっこいいし、凛としながらも切ない話でした。伝七さんに関して最終回への伏線でもあった、と信じることにします。
5位 十一話「仕事人、死す!!」源太死亡。冷静に思い出すと、脚本が雑なところもあるんですが、とにかくシリーズ中、一番大泣きしたので、ベスト5には入れておきたいという私情で。
世間では、六話「夫殺し」や十話「鬼の末路」などの評価が高いみたいですけど、個人的には、やっぱり仕事人には庶民の無念を晴らしてもらいたい。正直に懸命に生きている人間が、地位や数や金の力で踏みにじられ、その恨みを晴らす、という「必殺」シリーズの「王道」話が好きです。次にシリーズなりスペシャルなりがあるとしたら、またそういう話を期待したいです。